複合ドル指数

複合ドル指数:二つの「ドルの顔」を読み解く

ゴールドにとって米ドルは「鏡」のような存在です。しかし、ひとくちに「ドルの強弱」といっても、その実態は一枚岩ではありません。マーケットのセンチメントによるものか、それとも実体経済を反映したものなのか。ここでは、機関投資家のアルゴリズムが注視する「先進国通貨指数(狭義)」と、ドルの真の購買力を映し出す「広義ドル指数(貿易加重平均)」を2006年基準で統合。ドルの多角的な姿をここに可視化します。ただし、こちらのチャートはFRED(米セントルイス連銀)のものです。マーケットが日々追っているDXY(ドルインデックス)と同一ではありません。(参考:DXYチャートはこちら) 

*スマホでのブラウズは横画面を推奨します。

米ドル指数:広義(Broad) vs 先進国(Narrow)

先進国通貨指数(Narrow / 青の実線)
いわゆるDXY(ドルインデックス)に近い構成で、ユーロや円などの主要通貨に対するドルの強さを示します。為替市場の投機的な動きや金利差に敏感に反応し、ゴールドの短期的な価格変動と逆相関を見せます。

広義ドル指数(Broad / 緑の点線)
主要国に加え、新興国を含む多くの取引国通貨を貿易ウェイトで加重平均したものです。世界経済におけるドルの「実力」と「購買力」を映し出します。

分析の視点】
2006年を「100」として指数化することで、両者の「乖離」を浮き彫りにしています。マーケットが追いかけるドル(青)が、実体経済のドル(点線)からどれだけ逸脱しているかを確認することが、将来のマクロ的な転換点を見極める鍵となります。

【現在地】
先進国通貨指数(青)は8月に入り111〜112台で推移しており、2025年1月のピーク(122台)からは下落した水準にあります。下げ止まりを確認できるかどうかは今後のデータ次第という段階です。一方、広義ドル指数(緑)も118まで下げており、両者の乖離は依然として大きい状態です。この乖離は、ドルの「主要通貨に対する弱含み」と「新興国通貨に対する実力の維持」という二面性を映し出しています。今後、指数の乖離が収束に向かう局面は、新興国も含めた世界的な「ドル離れ」の本格化を測る重要なシグナルとなります。

▶︎ 関連データ:金利の波を可視化する(米複合イールドカーブ)

【チャートの操作方法】
期間の拡大(ズーム):グラフ上の気になる期間をマウスで左から右へドラッグすると、その範囲を詳しく拡大して表示できます。
表示を元に戻す:拡大後にグラフ内の右上に表示される「Reset zoom」ボタンをクリックすると、元の全期間表示に戻ります。

FRED® Graphs ©Federal Reserve Bank of St. Louis. All rights reserved. All FRED® Graphs appear courtesy of Federal Reserve Bank of St. Louis. https://fred.stlouisfed.org/

目次