米10年実質金利

ゴールドの「真の競合」:実質金利を捉える

金利がつかないゴールドにとって、米国の実質金利(名目金利-期待インフレ率)は最大の競合相手です。ゴールドの価格変動の裏側に潜む「もう一つの主役」の動きの確認は、通貨価値の変動を読み解く上で欠かせない視点の一つです。 

*スマホでのブラウズは横画面を推奨します。

【分析の視点】
実質金利とは、額面通りの金利(名目金利)から、物価の上昇(期待インフレ率)を差し引いた、いわば「通貨の本当の価値」です。

機会費用としての側面:ゴールドは配当や利息を生みません。実質金利がプラス圏で上昇している時は、債券などの利息を生む資産に資金が流れやすくなり、ゴールドには逆風となります。
期待インフレ率との連動:インフレが加速しても、それ以上に金利が上がらなければ実質金利は低下します。この「インフレから資産を守る力」が相対的に強まる局面こそが、ゴールドの真骨頂です。
ゴールドを測る物差し:一般的に「実質金利がゼロ、またはマイナス」の状況は、ゴールドにとって歴史的な強気相場の土壌となります。現在の金利水準が、ゴールドにとって「追い風」なのか「向かい風」なのかを、このチャートから読み解くことができます。

【現在地】
現在の実質金利は約2.44%(2026年8月31日時点)とプラス圏で推移しており、教科書的にはゴールドにとって「向かい風」の環境にあります。金価格は2026年1月29日に終値で史上最高値(1オンス=5354.80ドル)を記録した後、実質金利の高止まりを受けて調整局面に入り、7月16日に終値で4000ドルを割り込み高値から25%以上下げる結果に。しかし、金価格は4700ドルを伺う水準まで一旦回復。こうした動きは、教科書通り実質金利という「競合」に押される形で金価格は調整したものの、増大する米財政赤字への懸念から米長期債が売り圧力に晒され始め、金価格への上昇圧力が再び高まる流れが生じていることを示していると言えます。
ただし、8月28日、ジャクソンホール会議後のウォーシュFRB議長講演で、インフレ収束に向けタカ派姿勢が示されたことから、足元で金価格は200日移動平均線の水準の攻防となっています。今後の展開に注目です。

▶︎ 関連データ:ドルの総合力を測る(ドル指数)

【チャートの操作方法】
表示を元に戻す:拡大後にグラフ内の右上に表示される「Reset zoom」ボタンをクリックすると、元の全期間表示に戻ります。
期間の拡大(ズーム):グラフ上の気になる期間をマウスで左から右へドラッグすると、その範囲を詳しく拡大して表示できます。

FRED® Graphs ©Federal Reserve Bank of St. Louis. All rights reserved. All FRED® Graphs appear courtesy of Federal Reserve Bank of St. Louis. https://fred.stlouisfed.org/

目次