準備預金残高の推移

銀行システムの「余剰」を測る流動性の貯水池

FRBの総資産以上にマーケットの安定に直結するのが、この準備預金残高です。2025年10〜12月にかけて約2.85兆ドルまで低下した後、同年12月から切り返し、2026年は2.9兆〜3.1兆ドル程度のレンジで増減する展開が続いています。QT(量的引き締め)は2025年12月1日をもって終了し、FRBは短期国債の買入れで準備預金を下支えしてきましたが、8月半ば以降は買入れを止めています。この「下げ止まり」が続くかどうかが、市場の流動性を巡る重要な分岐点となっています。

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【分析の視点】
このチャートに刻まれているのは、銀行システムの中に滞留する「マネーの熱量」そのものです。

・2008年以前:当時は法定準備金制度により、銀行がFRBに預けるキャッシュは極めて少なく、チャートは地を這うような低水準でした。
・2008年〜2014年:相次ぐQE(量的緩和)により、銀行システムには爆発的な余剰資金が流れ込み、未曾有の一段目の上昇を記録しました。
・2020年コロナショック:垂直に近い上昇で、米国の銀行システムには天文学的な規模の「過剰準備金」が供給されました。
・2023年〜地銀危機と流動性の変容:QT(量的引き締め)により2023年1月には約2.8兆ドルまで減少しましたが、同年3月の地銀危機(シリコンバレー銀行破綻等)を受け、FRBは銀行向けの緊急融資制度を公式に導入。準備預金は急増し、その後も3兆ドル程度の高止まりが続いています。

【現在地】
QT(量的引き締め)は2025年12月1日をもって終了しています。準備預金残高は同年10〜12月の底(約2.85兆ドル)から切り返し、2026年は2.9兆〜3.1兆ドル程度のレンジで推移してきました。9月2日に約2.89兆ドルまで低下した後、9月30日時点の約2.95兆ドルを経て、10月7日時点では約3.03兆ドルに戻しています。
FRBは短期国債の買入れで準備預金を下支えしてきましたが、8月半ば以降は買入れを止めています。NY連銀は、短期金融市場の金利が落ち着いており、準備預金は「潤沢」とされる範囲の中でも高めの水準にあるとみています。一方で、米長期債利回りの上昇は続いており、財務省の資金の出し入れによって準備預金は週ごとに大きく増減します。このレンジを維持できるかどうかが、当面の金融システムの余力を測る目安になりそうです。

▶関連データ:量的引き締めは完了、資産は再拡大を経て足踏み(FRB総資産)

【チャートの操作方法】
期間の拡大(ズーム):グラフ上の気になる期間をマウスで左から右へドラッグすると、その範囲を詳しく拡大して表示できます。
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