航海録
序にかえてふと思いついたこと、市場の潮流。航海の途上に書き留める覚え書き。
オランダが保有金を自国へ移送
オランダ中央銀行が、ニューヨークとオタワに置いていた金86トンをロンドンへ移した。理由は「地政学的緊張の高まり」。数ヶ月前、ドバイの世界政府サミットでレイ・ダリオは「資本戦争が近づいている」と語り、金を「最も安全な通貨」と呼んでいた。示し合わせたはずもない投資家と中央銀行が、同じ潮目を見ている。金がニューヨークから運び出されるのは、今回が初めてではない。2012年、ベネズエラが米・欧・加の銀行から金を本国へ持ち帰り、2014年にはオランダ自身が同じようにニューヨークから金を持ち帰った。ドイツもニューヨークから300トンをフランクフルトへ移し、フランスも今年1月、ニューヨークに残っていた最後の金をパリへ戻している。積み重なる小さな動きの底に、通貨と信用をめぐる時代の転換が横たわっている。
潮目の変化は同時多発的に浮かび上がる
サッカーW杯の開催地、かつては24人の理事だけで密室で決められていた。今は世界206の加盟協会が1票ずつ投票権を持つ。国連の非常任理事国も193カ国の総会が選ぶ。異なる場所で同じ構図が浮かぶ。少数の大国だけで決められる時代は終わった。潮目の変化は思いがけない場所で同時多発的に動き出すものだ。
ウォーシュFRB議長、インフレ収束に向けタカ派姿勢
8月28日、ジャクソンホール会議後のウォーシュFRB議長講演で、インフレ収束に向けタカ派姿勢が示されたことから、足元で金価格は200日移動平均線の水準まで下落しています。今後の展開に注目です。
ベッセント米財務長官の悪手(?)が続いている
8月20日に米長期債のバイバック(買い戻し)増強計画発表、8月24日にはイラン経済制裁に対して各国へ協力を要請。前者は長期債利回り上昇がアキレス腱であることを自ら吐露していることになり、後者は新興国からの反発が拡大しそうな様相となっている。グローバルサウスの米国離れも加速しそうな雲行き。
Gold Street、26年8月21日(金)、大海原に出帆します
遥か彼方、水平線上に浮かぶ灰色の雲がゆっくりと濃度を増しているような気がします。なんだか嵐の予感。Gold Streetは、それでも航海を続ける船にとってコンパスの役目でも果たせればと思い、立ち上げたゴールドを中心としたWebサイトです。まずは「序にかえて」をご一読ください。
