金準備を増やした国、減らした国

IMF届け出ベースの、国別金準備の増減データが更新された。WGCによる補正も一部含まれるデータファイルによれば、26年1月〜8月の期間で、金準備を増やした国はポーランド(97.8トン)、中国(80.2トン)、ウズベキスタン(48.2トン)、カザフスタン(36.1トン)、チェコ(14.2トン)が目につく。共通点は地政学リスクへの対応ではないかと思われる。反対に減らした国はトルコ(-81.6トン)、ロシア(-34.2トン)。トルコは、エネルギー資源をほぼ輸入に頼ることから、リラ防衛(買い支え)およびエネルギー資源輸入代金確保の観点から保有金を売却したものと思われる。一方のロシアは4月以降ほぼ6トンペースで売却している。長引くウクライナ戦争で財政が逼迫しているとされるが、それを裏付ける動きとも見える。アゼルバイジャン国家石油基金(SOFAZ)も1〜3月に21.9トンを売却している。ただし、こちらは中央銀行ではなく政府系ファンドで、金価格上昇により金の比率が投資方針の目標を超えたためのリバランスと説明している。それぞれの国が置かれている事情が、こんなところから透けて見える。
*中銀あるいは公的準備の増減データは、届け出の遅れや空白、集計元による補正の違いから揺れがある。地政学リスクの高まりのなかで、国際政治力学が影を落としているとも読める。留意しておきたい。 →航海録一覧はこちら

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