米議会予算局の警戒シナリオを、現実の金利は追い越している

米10年債利回りは、9月30日に5.34%。10月の新規発行でも5.30%・30年債5.618%。CBO(米議会予算局)が2月に公表したベースラインの前提(2026年4.1%、2031〜36年平均4.4%)をすでに0.9〜1.2ポイント上回っている。この水準がこのまま続けばどうなるか。じつはCBO自身が、ほぼこの状況を想定した試算を9月24日の書簡で示している。連邦債務の平均金利がベースラインより最終的に1ポイント高い水準で推移した場合、2026〜2036年の累積で、利払い費を除く基礎的財政赤字はベースラインより約1780億ドル増加するのに対し、総赤字は約1.5兆ドル増加する。そのうちの約1.3兆ドルが、金利上昇そのものが積み上げる利払い費の増加分にあたる。
ちなみに、ベースラインが想定する2026年単年の純利払い費そのものは1兆390億ドル(GDP比3.3%)である。この想定は机上の空論ではない。2020年前後にコロナ対応で低金利発行された国債が、いままさに高金利の新発債へ置き換わりつつある(ロールオーバー)。この借換えを通じ、連邦債務全体の平均金利は9月末時点で3.531%(2009年4月以来の高水準)まで上がってきている。利息のつかないゴールドにとって、金利(実質金利)の上昇は逆風である。一方、その金利上昇が招来する利払い費の膨張は、ドルの信認に対する懸念という形でゴールドの追い風になる。現状はせめぎ合いが続いているが、この両者のバランスが崩れる刻限の到来は意外に近いかも知れない。  →航海録一覧はこちら

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